8月9日 長崎市の平和祈念式典の中で読み上げられた長崎市長の「長崎平和宣言」は、次の言葉で始まりました。
「今年、一人のカトリック修道士が亡くなりました。「アウシュビッツの聖者」と呼ばれたコルベ神父を生涯慕い続けた小崎登明さん。93歳でその生涯を閉じる直前まで被爆体験を語り続けた彼は、手記にこう書き残しました。
世界の各国が、こぞって、核兵器を完全に『廃絶』しなければ、地球に平和は来ない。
核兵器は、普通のバクダンでは無いのだ。放射能が持つ恐怖は、体験した者でなければ分からない。このバクダンで、沢山の人が、親が、子が、愛する人が殺されたのだ。
このバクダンを二度と、繰り返させないためには、『ダメだ、ダメだ』と言い続ける。核廃絶を叫び続ける。
原爆の地獄を生き延びた私たちは、核兵器の無い平和を確認してから、死にたい。」
(2021年8月9日「長崎平和宣言」https://www.city.nagasaki.lg.jp/heiwa/3070000/307100/p036984.html)
この「長崎平和宣言」で紹介、引用された小崎登明さん(本名 田川幸一さん)は、本校の第1回卒業生です。本校と同じ敷地内にある「聖コルベ記念館」の館長として、世界中から訪れる巡礼者の方や修学旅行生、平和学習で来館した中学生に、コルベ神父のことを語り続けてこられました。また、中学校で語り部として自身の被爆体験を伝えてきました。自身のブログ「小崎登明の93歳日記」には、亡くなる直前まで、語り部として活動する姿や、病と向き合う心情が綴られています。
本校は小崎登明さんの平和への切なる願い、コルベ神父の隣人愛の精神を「コルベアワー」や「アンネのバラプロジェクト」を通して継承していきます。そして、本校を巣立った生徒が、それぞれの場所でそれを伝えていくこと、平和への一助となることができるよう取り組んで参ります。